前回は、「熱量ってどういう意味?」  をテーマに、 コミュニティにおける熱量の定義、その内容について解説しました。 

数値化が難しいと言われるコミュニティですが、「オシロではコミュニティの熱量をコミュニティメンバーのアクション量と定義し、数値化を行い、熱量という指標をもとにコミュニティの状態の把握や評価ができる」ということをお伝えしました。 

見逃してしまった方は、ぜひ下記リンクから一読なさってみて下さい。 

第1回「コミュニティのデータ化ってなに?」
第2回「熱量ってどういう意味?」

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第3回目となる今回の深掘りポイントは、 
オンラインコミュニティメンバーのアクション率」 

アクション量(熱量)について前回お話しましたが、「何人でその熱量を生み出しているのか」「何%の人がコミュニティでアクションしているのか」というアクションしている人の割合も気になりませんか? 

オンラインコミュニティの活動目的はさまざまでも、「メンバーと直接コミュニケーションを取りたい」「メンバー同士の横のつながりを作りたい」といった、メンバー同士の双方向のコミュニケーションを重視している人はとても多いと思います。 

メンバー同士のコミュニケーションを設計していく上で、メンバーのアクション率を把握することはとても重要です。「100人でイベントを盛り上げたい」と考えメンバーを100人集めても、アクション率が10%の場合、実際にイベントに参加してくれるのは10人程度となり、当初の目的は達成されません。 

アクション率は、募集するメンバー数やコミュニティの活動内容を考えていく上でも把握しておきたい大切なポイントの一つなので、科学していきます。   


突然ですか、みなさん『1%の法則』ってご存知ですか?


“コミュニティメンバーのどのくらいの人がアクションし、どのくらい人が見ているだけなのか”について発表された研究報告(*3)、それが「1%ルール」(Arthur, 2006)または「90-9-1の原則」と呼ばれるものです。 

その内容をみると、
「オンラインコミュニティにおいて1%の人がほぼ全てのコンテンツ作成を行い、9%の人が他の参加者とコミュニケーションを行う、残りの90%はただ見ているだけ」と報告されています。 

2000年代に発表されたこの「1%の法則」、インターネットやSNSが普及した2010年代にも同様の研究結果が報告されているんです。(澁谷, 2017) イメージしやすいSNSに置き換えて考えてみましょう。